短歌ヴァーサス 風媒社
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★短歌ヴァーサスは、11号で休刊になりました★
2004.8.2〜2006.6.30の期間(一時期、休載期間あり)、執筆されたバックナンバーをご紹介します

 
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伊勢谷小枝子

 
朝の田中さん

 ほぼ毎朝、コンビニに寄ります。主に寄るコンビニが3軒あり、水曜日に発売の雑誌が置いてあるコンビニが限られているので水曜日に寄るコンビニが決まる以外は、ランダムに巡回します。
 飲み物占いをします。たいていは缶コーヒー(微糖、でも甘すぎ)(ふだん飲むコーヒーはブラックが多いけど、缶コーヒーのブラックは、缶の味がする)ですが、体調が悪いときは、コーヒーに手が伸びません。「ブルーベリーの入ったヨーグルト系飲料」や「グレープフルーツジュース」に伸びます。栄養ドリンクに伸びることはめったにありませんが、年に数回。伸びる手の行方で体調がわかるという占いです。他に、のど飴占い・パン占い・菓子占いがあります。
 まだ目覚めていない朝7時のコンビニ客の私なのですが、コンビニ店員さんは、どの程度、客のことを認知しているのでしょう。よく「袋、いりません」と言っていたコンビニでは、もう言わなくても袋を(パンとコーヒーくらいでは)くれなくなりました。水曜日のコンビニでは、「この人、水曜には必ず雑誌コーナーに行くなー」と思われているのでしょうか。「この人が雑誌コーナーに行ったから水曜日だ」くらいになるまで、まだまだじゃな、でしょうか。そんな朝のコンビニ店員のひとりが、田中さん(仮名)。いつもどうも。夜はコンビニに寄らないのですが、仕事が遅くなったある夜、ガソリンがなくなりそうなので、ガソリンスタンド(セルフ)併設のコンビニに寄りました。そしたら、田中さんが、もう、働いていました。朝の田中さんなのに。夜の11時には夜の田中さんでした。夜遅くから大変ですね、私は帰って寝ます、とレジで思いました。翌朝、同じコンビニに寄ってみたら、夜の田中さんは元通りの朝の田中さんでした。

 あの、毎回、なんらかの形で、詩歌に関することを書こうとは思っているのです。でも今回は、「カルチャーセンターに通ってるんですよ」と言うと、まず「英会話?」と聞かれ、次に「詩吟?」と聞かれることくらいしか思いつきません。
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