短歌ヴァーサス 風媒社
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★短歌ヴァーサスは、11号で休刊になりました★
2004.8.2〜2006.6.30の期間(一時期、休載期間あり)、執筆されたバックナンバーをご紹介します

 
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Sin

 
ことわり

 ある日、荻原さんから、このヴァーサスの執筆者依頼のメールが来た。
 差し当たって理由はないのだが、メールの送信者に「荻原裕幸」とあると、何故か体が緊張してしまう。街中で警察官を見かけた時の心拍状況に近い。
 一応そのメールの内容を見る前に心の準備が必要なので、考えてみる。
 (このメールの内容は何だろう・・・もしかしてハニカミデートプラン? いや、荻原さんが「花火を見ながら、彼女を後ろから抱きしめてやってください」なんていうプランを僕にメールしてくるわけがない。じゃぁ何だ。考えろ、考えるんだSin。はっ!もしかして罰ゲーム!? もしかして、この間の短歌ヴァーサスの原稿のダメ出しだろうか。)と、約0.34秒の思考の後、メールを開くと、このコラムの執筆依頼だったわけだ。
 自慢ではないが、川柳作家の割に川柳の知識がないし、コラムを書くほど文章も上手くないし、人間的な引き出しの少なさから言えば、毎週のコラムなんて、ちゃんちゃらヘソが茶を沸かすぐらい、お手上げである。
 さらに自慢ではないが、同じことを継続する才能が全くといっていいほどないのである。もし、そんなことを頼まれた時は、「いいか、『ゆくかわの流れはたえずしてしかももとの水にあらず』と鴨クンがナンタラ記で書いているように、世はいつでも無常の世界なのだよ。む・じょ・う。いいか、キミタチ。とどまってはいけない。淀んで濁ってしまった水に、いくらきれいな水を加えても、決して元には戻れないのだぞ。流れ続けるのだ。わかるな。だから僕にそんなことを頼まないように」と、どこかの総理大臣のような党内説得をして、そういう仕事を受けないようにしてきたのである。
 では、なぜこの依頼を受けたか。その理由を全26週にわたって、徐々に明らかにしていこうと思っている。しかも最終回は、15文字拡大版でお贈りするつもりだ。
 ではこれから毎週木曜日は、川柳作家のSinが担当いたしますので、箸休めの日と思って、半年間おつきあい下さい。また来週。
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