短歌ヴァーサス 風媒社
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★短歌ヴァーサスは、11号で休刊になりました★
2004.8.2〜2006.6.30の期間(一時期、休載期間あり)、執筆されたバックナンバーをご紹介します

 
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若原光彦

 
近影写真を考える

 インドに行っても若原光彦です。まずはこちらをご覧下さい。

http://www.h3.dion.ne.jp/~rayboy/image/31vsweb_2005-07-19.png

 どれも私です。一部もののけも混じってますが、地球上にはよくあることです。トイレに入ったらカラスが居て真昼の決闘になったとか、コピーを取りに行ったら野犬と徒競走になったとか。日常茶飯事です。茶番劇です。もとい。

   *

 このたびコラム火曜日を担当させて頂くにあたり、顔写真を提出することになったのですが……悩んでしまいました。「どんな顔してりゃいいんだ?」
 ライブのフライヤーに顔写真を出した時は、紙面を見た人が会に足を運んでもらえるよう高級感や信頼感を重視して「ちょっとかっこいいやつ」を選んでました。しかし、今回はコラムです。カッコいい顔で日常駄文を書いても痛いでしょう。かといってふざけた写真を選ぶと真面目な話に信憑性がなくなる。「どんな話でもちゃんと聞いてもらえる顔ってどんなだ?」
 悩んで出した結論が、左上の写真です。素の表情にも固めた表情にも見える。無表情と表情の中間点。「どうとでも見える顔」です。

「個人の一面は状況によって変わる」ということは前回書きましたが、この「一面」には人間性や個人情報だけでなく、服装や表情なども含まれます。人は全身をコーディネートして好ましい印象を残そうとします。
 しかし、人間は一面だけで生きているのではありません。私だって年がら年じゅう左上みたいな顔をしちゃいません。目が大きくなったり細くなったり秒単位で変化します。この文章だって凄い形相で書いているのかもしれません。

   *

 左上の私の顔を、想像力でモーフィングして遊んでみて下さい。睡眠中の若原、酔った若原、10年前の若原、老いた若原……どれも私です。とても書き切れません、だから今は左上の顔だけ。
 コラムをお読み頂くうちに、いろんな顔が見えてくると思います。気を楽にしてご覧下さい。しばらくのおつきあいを。
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