短歌ヴァーサス 風媒社
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2004.8.2〜2006.6.30の期間(一時期、休載期間あり)、執筆されたバックナンバーをご紹介します

 
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斉藤斎藤

 
」と供述している。

 わたしは刑法を犯さずに生を終えると確信している。だから確信犯の犯罪にそそられるところはない。もうひとつの確信を持ったもうひとりのわたしだと指をさして笑うだけだ。しかし確信はときに揺らぐことがにんげんだものもちろんあって、だから三面記事のちょっとした容疑者の供述は心がけて読むようにしている。わたしの犯罪を未然に防ぐには、日ごろの防犯意識が何よりも重要なのだ。
 以下、わたしの防犯意識を刺激した供述たち。

 「職場に知られると恥ずかしいと思った」「小学生ならだませると思った」「味見をしたうえで買い付けを決めた」「眠気覚ましに使った」「途中で雨が降り、配達がいやになった」「警察署と間違えて突っ込んだ」「迷惑電話を掛ける時には朝から酒を飲んでいた」「担任の先生が助けてくれなかった」「工場長の態度にも腹が立った」「経験をしたかった」「無理に働かせてはいない」「言うことを聞かないのでやった」「何度か下見に行って、目をつけていた」「脳死でないと分かっていた」「悪いことをしたとは思っていない」、
 「悟空の人形が欲しかった」「わいせつなことができると思った」「毎日抱いて寝た」「ちょっと当ててみたりした」「約400万円の利益を得た」「人がいるとは全く気が付かなかった」「社長なら何をしても良いと思った」「日本の法律が遅れているのだ」「散歩していただけ」「長続きするなら外国人でもよかった」「この学校の親たちは金持ちだと思った」「金が欲しかった」「現金が欲しかった」「本当に申し訳ないことをした」「遊ぶ金が欲しかった」「別れて家を出た後の当面の生活費が欲しかった」「食べ物を買おうと思って盗もうとした」、
 「2人乗りをしていたので懲らしめてやろうと思った」「新聞を取る、取らないで殴り合いになった」「早朝から出て行って一体何の列に並んでたのかと考えると、腹が立って仕方なかった」「翌日の首の色は青ざめていた」「カッとなった」「むしゃくしゃしてやった」「被害者と面識はなかった」「やけっぱちになった」「外に助けを求めるつらさよりも飢えを耐えるつらさを選んだ」「二人で話をして死のうと思った」「話し相手が欲しかった」「他にはしていない」「やったと思うが、以前のことなのではっきり覚えていない」「今は話せません」。
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