自己紹介を考える
前回の続報ですが『UPJ3』の公募枠出演者募集は、期限が7月末日にまで拡張されたようです。あらら……早まってアナウンスした私がカッコ悪いみたいじゃないですか。ええ、みたいも未来も御手洗もなくカッコ悪いです。ちょっと壁でも殴ってきます。
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……失礼しました。あらためまして自己紹介を。若原光彦です。詩作やポエトリー・リーディングをしています。
と書いたところで筆が止まってしまいました。自己紹介が苦手なんですよ、相手に対して「これこれこういう者です」とうまく説明できません。何を言っても伝え残しがあるようで気にかかります。 例えばこのサイトの「執筆者」ページにある紹介文。あの紹介文には幾つもボツバージョンがありました。メモから一部フレーズを拾い出してみると──
詩・朗読・その他。1979年夏誕、岐阜県出身。 歌詞・定型詩・短歌等を経て詩に落ち着く。 名古屋の月例オープンマイク『詩のあるからだ』主催。 メモ魔、しおり魔、タイマー魔。部屋に時計が六個ある。 ひとの名前と顔を憶えるのが苦手で、自分の顔と 名前を憶えられるのが得意という困った特性を持つ。 耳あかはカサカサタイプ。弱点は虫の羽音と秋冬の寒さ。 鉄塔鑑賞家。登塔経験は小学生の頃に一回(未遂)。 特技は「かえるさかだち」。好物はココア。 変わった看板やオブジェを見つけるのが得意。 水辺を好む。好きな映画のジャンルは脱獄映画。 耳鼻科医によると耳孔が一般より入り組んでいるらしい。
──なんだこれは。やはりボツにして正解だったようです。読んで「人間って面白いな」とは思えますが、若原が人間かどうかは疑わしくなってきます。でも、どれも私です。
自分の出演履歴を挙げるのも自己紹介だし、性格や趣味嗜好を挙げるのも自己紹介です。問題は「どういう人に、自分のどういう面を伝えるか」でしょう。面接官には資格や経歴を言うでしょうし、救急隊員にはまず血液型を言うでしょう。場面によって人の情報は変わります。
さて、このお話は次回に続きます。 |