短歌ヴァーサス 風媒社
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★短歌ヴァーサスは、11号で休刊になりました★
2004.8.2〜2006.6.30の期間(一時期、休載期間あり)、執筆されたバックナンバーをご紹介します

 
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若原光彦

 
自己紹介を考える

 前回の続報ですが『UPJ3』の公募枠出演者募集は、期限が7月末日にまで拡張されたようです。あらら……早まってアナウンスした私がカッコ悪いみたいじゃないですか。ええ、みたいも未来も御手洗もなくカッコ悪いです。ちょっと壁でも殴ってきます。

   *

 ……失礼しました。あらためまして自己紹介を。若原光彦です。詩作やポエトリー・リーディングをしています。

 と書いたところで筆が止まってしまいました。自己紹介が苦手なんですよ、相手に対して「これこれこういう者です」とうまく説明できません。何を言っても伝え残しがあるようで気にかかります。
 例えばこのサイトの「執筆者」ページにある紹介文。あの紹介文には幾つもボツバージョンがありました。メモから一部フレーズを拾い出してみると──

詩・朗読・その他。1979年夏誕、岐阜県出身。
歌詞・定型詩・短歌等を経て詩に落ち着く。
名古屋の月例オープンマイク『詩のあるからだ』主催。
メモ魔、しおり魔、タイマー魔。部屋に時計が六個ある。
ひとの名前と顔を憶えるのが苦手で、自分の顔と
名前を憶えられるのが得意という困った特性を持つ。
耳あかはカサカサタイプ。弱点は虫の羽音と秋冬の寒さ。
鉄塔鑑賞家。登塔経験は小学生の頃に一回(未遂)。
特技は「かえるさかだち」。好物はココア。
変わった看板やオブジェを見つけるのが得意。
水辺を好む。好きな映画のジャンルは脱獄映画。
耳鼻科医によると耳孔が一般より入り組んでいるらしい。

──なんだこれは。やはりボツにして正解だったようです。読んで「人間って面白いな」とは思えますが、若原が人間かどうかは疑わしくなってきます。でも、どれも私です。

 自分の出演履歴を挙げるのも自己紹介だし、性格や趣味嗜好を挙げるのも自己紹介です。問題は「どういう人に、自分のどういう面を伝えるか」でしょう。面接官には資格や経歴を言うでしょうし、救急隊員にはまず血液型を言うでしょう。場面によって人の情報は変わります。

 さて、このお話は次回に続きます。
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