短歌ヴァーサス 風媒社
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2004.8.2〜2006.6.30の期間(一時期、休載期間あり)、執筆されたバックナンバーをご紹介します

 
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Sin

 
せんりをはしる

 川柳を始めた当時、名前を「Shin」で始めた。確か、地方新聞の柳壇への投句が最初ではなかったかと思う。それを見た柳人から「これから真剣に川柳をやるんだったら、やめなさい」とか「川柳の世界では前例がない」とか「ロッテ、優勝おめでとう!」など、様々な意見が寄せられた。
 ただ、私が一番ビックリしたのは、「前例がない」というのが、理由として堂々と出て来るあたりである。ある意味、「前例」と重ならないように、日々、創作に励んでいらっしゃる方々ばかりだと思っていたからに他ならないが。
 その後も、この名前のせいで、いろいろな障害がでてくることになる。ある選者は、名前を見ただけで選外にしたり、いくら訂正を求めても発表誌に「佐々木Sin」と名字を付けられたり、総選挙時の自民党のマニフェストに「改革を止めるな。4年後にはSinを佐々木慎にします。」と大きく掲げられたりもした。
 そんな、イジメにも挫けず、現在に至るわけだが、あまりにも、「何故、ローマ字なんですか?」という質問が多く、「なんとなく・・・エヘヘ」と頭を掻いてもいられないので、名前を「Sin」と改めた。hを抜いただけなのだが、この「Sin」、辞書で引いてみると、

 sin[名]
 1 (道徳・宗教上の)罪、罪悪、罪業
 2 (礼儀作法に対する)違反、過失、反則
 3 罰あたりなこと,気がきかないこと

とある。素晴らしい内容に思わず、スタンディング・オベーションをしてしまった。さらに動詞になると、

 [動](…に対して)罪を犯す,悪事を働く,人の道にそむく

とある。
 これからは、「何故、その名前なの?」と聞かれたらこう答えよう。
 「川柳界の犯罪者になるためだよ、リンダ。」

   乳房 膣 核 と舌先すべらせて  Sin
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