短歌ヴァーサス 風媒社
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2004.8.2〜2006.6.30の期間(一時期、休載期間あり)、執筆されたバックナンバーをご紹介します

 
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Sin

 
ぽるのぐらふぃ

 青森市と合併した浪岡町という町で、毎年「中世の里なみおか映画祭」というイベントが1992年から開催されている。「映画館のない町で国内にないような映画祭をやろう」という趣旨のもと、今年でその映画祭も第14回目を迎える。しかし、そのイベントも今年で終わることになった。
 その映画祭の今年のプログラムに、神代辰巳作品18本を上映しようとした実行委員会に対し、青森市の教育委員会が「神代作品の芸術性は否定しないが、推薦できる内容ではない。住民の理解が得られない」との理由で、補助金130万円と会場の使用許可が出せないと通告してきたのである。そう、この神代辰巳という人は、日活ロマンポルノ作品の脚本・監督として有名な人である。しかし一方では、文化庁が日活ロマンポルノの芸術性を認めて、補助を決めているというのに、おかしな話しだ。
 プログラムの変更をすれば、開催できるところだったが、「補助金ほしさにプログラムを変更したくない」と、今年は、11/19〜23の期間、弘前市で開催することになった。もちろん、神代作品だが、補助金なしなので、どこまで上映出来るかとのこと。まったく、残念である。

 僕は、川柳というものを通じて「人間」を考えている。と言っても、別に芸術作品などといった大それたことを書こうというわけではない。
 ただ、皆さんも感じているとは思うが、「人間」そのものを描こうとした場合、性的要素は避けて通れない。だから、僕も最近はノン・フィルターの性的表現作品に挑戦している。オブラートに包んだような綺麗なエロティシズムではなく、グロテスクなまでの性表現までいければと思うのだが、描写と詩性のバランスが、なかなか難しい。一生涯のテーマだろう。
 アダムとイブが最初に隠したものが性器ならば、そこに「人間」の答えがあると僕は妄想して止まない。

  目の前のダッチワイフが死んでいる  Sin
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