La petit reunion 小さな集い
きょうは本題に入る前にお見せしたいものがあります。 ある雑誌で、岡井隆さんと宮沢賢治研究者でもある入沢康夫さんの対談にぶつかりました。しゃべる詩歌史年表といった感のお二人が、塚本邦雄の分かりやすさと宮沢賢治の分かりにくさに触れており―。 ごめんなさい、私、賢治が読めません。 「雨ニモ負ケズ」が分かりません。『春と修羅』の序文はなんとか。「銀河鉄道の夜」に至っては「ジョバンニ、らっこの上着がくるよ」のいじめシーンに堪えられず、四半世紀も閉じたままです。 なのに今、机の山積みの書類の中から、“「甘つたれのヨハネ」からカムパネルラへ”という文章を取り出し読んでいます。塚本邦雄全集16巻の栞で岡井隆さんが、後述する一首を解説したものです。甘つたれのヨハネは誰かにはじまって、才能への係恋や、導かれて旅する時の、あるいは短歌をつくる時の、人の間に生じるどこか甘い空気を言い当てていて、好きです。ちなみにヨハネとはイエスの最愛の弟子であって美しく若き漁師。「銀河鉄道の夜」で主人公ジョバンニの導き手となる少年がカムパネルラです。ここではじめて私はGiovanniがJohannesのイタリア語形と思い至りました。 さて、甘つたれ甘つたれと呼ばれるヨハネがいかなる「甘つたれ」か、興味本位に調べてみますと、ご覧ください! この師弟関係を! ↓ http://absolutepitch.or.tv/vs/0201.html(写真右の「甘つたれ」がヨハネ)
*
本題です。この欄の読者から「設問に答えたら見てもらえる?」というお手紙をもらいました。ぜひ、見せあいっこしましょう。メールをください。小さな集いに案内します。
+25 Easy Etudes, N゚4
銀河鐡道軌道錆びつつジョバンニとは約翰傅甘つたれのヨハネ
塚本邦雄「約翰傅偽書」より
この作品から読みとれるイメージを解説し、既成の物語を2つ引用(quotation)した短歌をつくりなさい。
※ルビ 軌道=レイル、約翰傅=ヨハネでん |