なにをかいわんや
『川柳ってなんですか?』 先日、ローカルのラジオ番組にゲストとして出演した。 番組の企画としてなら、川柳を募集するケースはよく見かけるが、「川柳」そのものをピックアップしてくれる機会は、そうそう無いので、快く承諾した。 スタジオへ向う間も、どうやって川柳の魅力をリスナーへアピール出来るか、あーでもない、こーでもないと頭の中で念入りにリハーサルを繰り返し、ブツブツと独り言を言ったり、ひとりでニヤけたりしながら、徐々にテンションをあげてゆく。 スタジオへ到着。渡された台本を読む。そこに冒頭の質問があった。 毎週、川柳を扱っているわけではないので、当然、文芸を全く知らないリスナーが多い。ディレクターも、すりすりと僕に歩み寄り「川柳を知らない人達へ解りやすく言ってもらえますか?」と有り難いご指示をおっしゃられる。 「川柳って何ですか?」 質問の意図はわからないでもない。要は、川柳の形式はどういうものかと聞いているのだ。でも「川柳って何ですか?」という、一見、哲学的に見える質問は、かなり体に悪い。「男の人って、好きな相手じゃなくても出来ちゃうんでしょ」という十代恋愛的王道質問ぐらいの破壊力がある。 その後の質問もかなりの威力だ。 「川柳と俳句の違いは?」 「私たち、川柳を作ってきたんですが、どうですか?」 エエエエエーーーーーーーーーーッ?!、である。 しかも、これを「解りやすく」「手短に」という複雑な連立方程式を与えられるのだから、完全に曙である。あ、KO寸前である。 「川柳って何?」 こっちが聞きたいくらいである。何なんだよ、川柳って。 |