始まれば終る
というわけで、今年もあとわずかになった。 「忘年会」「年忘」の季語は
年末にあたって、たがいに一年の労苦を忘れ、無病息災を祝うために、親戚や友人を集め、たがいに宴を催すこと。(『日本大歳時記』講談社)
とある。 先祖の魂祭もからむ「忘年」の意味が忘れ去られてしまった今になっても、ほとんど顔を合わすことがなかった友と飲んで、食べて、楽しく過ごした後、しみじみと懐かしく「元気でやってね」と何かに頼む気持ちになるのはその名残かもしれない。「いいお年を」と言って分かれたあとほろ酔い加減で見上げる夜空が冷たい。昨日まで週末は連続忘年会に明け暮れたが、ようやく落ち着いた今週になって残した仕事の整理を始める気分になっている。
自信なく始めた連載もついに最後になった。反応の早いネットでの書き込みが苦手で、エッセイも日記もまともに書いたことのない私は途方にくれるばかりだったが、とりあえず〆切を守ること。金曜日から火曜日の間にふっと頭をよぎったことから書いてみよう。書く中で輪郭がはっきりしてくるかもしれない。そう思ってやってみたが、俳句と同じく何かに突当るまで辛抱することが出来ずに。早々とまとめに走るダメな私だった。 俳句が潔いところは読み手に受けとってもらえなければ捨てるしかないところで、それと同じく書かれたものも読まれるとは限らない。私自身が手探りで書いてきた文章にたとえ一回でも付き合ってくださった方、ありがとうございました。 では、お元気で。
一族の写真頭上に去年今年 やよい
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