短歌ヴァーサス 風媒社
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★短歌ヴァーサスは、11号で休刊になりました★
2004.8.2〜2006.6.30の期間(一時期、休載期間あり)、執筆されたバックナンバーをご紹介します

 
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増田 静

 
屋上にて(最終回)

 地図から始まった。住民票を移しにいったら区役所がくれたのである。世田谷のずいぶん大きな地図で、大きすぎるあまり、道で開くと後から来る人の邪魔になる。このコラムで「世田谷案内」をテーマに掲げた私は、その地図を持ち歩き、世田谷探索にいそしんだ。結果はご覧のとおり、世田谷情報どころか、半径百メートルを越えないご近所コラムとなったが、未知の街であった世田谷とは、少し親しくなれた気がする。あいかわらず道に迷ってばかりだけど。
 地図は、折れ目が白くかすれてしまい、読めない箇所もでてきた。しかし区役所がまた地図をくれたのである。先の3分の2の大きさで、これなら道で開いても邪魔にならない。それは「世田谷区防災マップ」で、いざというときの避難所や、医療救護所、避難所運営用防災倉庫などが記してある。つまり、とぼんやり考えた。世田谷で暮らすということは、世田谷で死ぬかもしれないということなんだな。ふだんは思い出しもしないけど。
 まだまだ書きたいことはあった。やはりご近所のことだが、商店街の不動産屋の「たらい」の中に亀がいて、日向ぼっこをしている。亀は1匹のときと2匹のときがあり、1匹しかいないとき、もう1匹はどこでどうしているのかということの私的見解とか。あるいは12月の団地の抽選にまたしても破れたことと、世田谷の空き家に関する考察、など。
 さて最後に宣伝をふたつ。短歌のほかに、劇作を身上としているのだが、ご近所を舞台に公演を予定している。でもこれは劇だろうか。よくわからないものが出来た。web上での短い時間の公演なのでご覧いただけたらと思う。

 ◆屋上テトラポッド第2回公演「ただなか」 on the web
 http://gogo.pinoko.jp/web-theater にて2月1日夜ごろスタート

 あわせてフリーペイパーも作った。「シャボン玉ホリデイ」という浮かれた名前のこの紙は、自作の短歌を掲載するハガキサイズの不定期刊行物だ。毎号、ゲストを招き、同じテーマで作品を作る。今回のゲストは歌人の渡部光一郎さん。フリーペイパーは無料でお送りしています。興味のある方、ご連絡ください。
 では皆さま、お元気で。またどこかでお会いしましょう。
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