短歌ヴァーサス 風媒社
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★短歌ヴァーサスは、11号で休刊になりました★
2004.8.2〜2006.6.30の期間(一時期、休載期間あり)、執筆されたバックナンバーをご紹介します

 
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伊勢谷小枝子

 
いらない

 チューリップの里で、リングに上がってきました。腕を上げられる練習までしたのに、いらない練習でした。予定どおり、私の短歌が載った本を持って読んだので、宣伝まではいかなくても、何の本だろう(大量の付箋つき)(行きのJR内で、付箋が足りないことに気づき、駅前のコンビニで買おうと思ったら、駅前のコンビニがない街だった)と思う人がいたらまあ目標達成ということで。でも貼り足した付箋の分まで読むことはなく、いらない付箋でした。万が一、決勝戦まで進んだら、即興です、即詠です。そんなことできるのだろうかと、大会の数日前に、チャットのような形でお題を出してもらって詠んでみたものの、全然だめで苦しみましたが、それもいらない苦しみでした。
 内省しなさいとのことですが(私個人ではなく、全体への講評で)、これ以上自己観察と自己分析を重ねてこれ以上の自分好きになっても。と思う私は、演劇寄りに閉じている人よりも(演劇的朗読に寄っている人が閉じている、というわけではない)ある意味ずっと閉じています。パンツの人(後述)に「朗読、よかったですよ」と言われ「私もそう思います」と答えている場合ではない。自分好きにもほどがある! でももっと内省、いりますか。
 連作の一部(勝ち抜いて続きを読む予定でしたが、いらない予定でした)も読んだのですが、特に動きをつけることはなく、思い浮かべていたのは、辰巳泰子さんの朗読です。はりつめた空気の中に、ふっ、と、あらわれる、やさしくてやわらかいもの。表情だけではないなにか。それに対比する、はりつめたものや情念が私にはないので、少し、いらないことでしたけど。
 パンツはいた人が優勝すればよかったなあ。いえ、優勝者がパンツはいてなかったのではなくて、ジーンズの上からパンツ(チューリップの絵つき)を、はいた人が。ちょっと下の心をくすぐられる感じがおもしろかったです。
 でもなんでボクシングなのでしょう。でも「詩の相撲」じゃあ、なんだかです。まあ次回は、タイ集合(パンツの人のおすすめ国)で。詩のムエタイ。
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