短歌ヴァーサス 風媒社
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★短歌ヴァーサスは、11号で休刊になりました★
2004.8.2〜2006.6.30の期間(一時期、休載期間あり)、執筆されたバックナンバーをご紹介します

 
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黒瀬珂瀾

 
妖精になりたい

 先日、英語英訳短歌のシンポがありました。そこで、「オタクとか独特な言葉なら、そのままOTAKUで伝わる」みたいなことをパネリストの玲はる名さんが発言。そしたら会場から「オタクってなんですか」という質問。思わず玲さんが「ええっと…こ、こんな人…」と指さした先にオレ様はどうみてもオタクです。ありがとうございました。
 カチャ ;y=ー( ゚д゚)・∵;; ターン

 はい、オタクなオレ様死んだ。それではキュートな玲ちゃんの歌集『たった今覚えたものを』を華麗に紹介しながら、
 http://www.bookpark.ne.jp/cm/utnh/detail.asp?select_id=25
 こんにちは。リアリティあふれる黒瀬です。
 それにしても最近はリアリティ論花盛り。おかげでオレ様の意味不明コラムも結社誌やら総合誌やらに引用されました。「絶望した!」の文言を某結社誌に引用いただき、これじゃオレ様頭の可哀想な子みたいで絶望した!ので篤く御礼を。「歌壇」6月号の時評にも引用いただきギガウレシスwwwwと、しょこたんみたいに書いてみる。
 っていうか現実ってなんだよ。あれか、夜中にテレビでやってる奴か。うん、そうだとは思ってた。最近薄型テレビが流行ってるし。だんだんテレビの中の人も窮屈になって、新番組のたびに人数増えるから、そろそろこっちに溢れてくんじゃね? もう一回『ネギま!』クラスの大所帯アニメ流せば決定打じゃね? 可愛い騎士王のマスターになれるのも時間の問題ですよ奥様。「アニメじゃない、ホントのこーとさー」って言ってたジュドーも。言ってないか。

 涙腺がはじけるような感動とまちがえるほど寒い夜です
               五島諭
 ミケネコが私に向けてファイティングポーズを取った殺しちまうか
               永井祐
 修辞を削いだ(ように見える)これらの歌の登場は、本当ならリアリティ至上主義者にとっての勝利のはずだ。しかし、「リアル」と「事件」の差を取り違える人々には「幼稚な現実逃避」にしか見えないらしい。病老苦や戦争体験だけがリアルな生の刻印だと言うのなら、もう短歌は絶望的だ。
 五島、永井の歌も生の刻印に他ならない。アニメだって現実だ。だって、夜中に必死こいてハルヒダンス踊ってる「現実のキモオタ」のオレ様の方がどう考えてもファンタジー。きっと、私、妖精さんになれるんだ……。なわけねえだろふざけるな現実は厳しいんだ! オレ様も毎日厳しい現実を生き抜いてるんだ! 毎朝身だしなみに気をつけ歯も磨き清潔にして出勤してるんだ! だって、扉を開けたら生き別れの血のつながっていない妹が立っていて、目に涙を浮かべて「やっと会えたね…お兄ちゃん…」って言うかもしれないじゃないか(魂の叫び)!
 カチャ ;y=ー( ゚д゚)・∵;; ターン
 また死んだ。いいの、たぶん、私は三人目だと思うから…。

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