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近代と未来のはざまで
未来観の変遷と21世紀の課題

著者: 編者: 桃井治郎・玉田敦子

本体価格: \1,524(税別)
サイズ: 四六判並製 236頁
ISBN: 4-8331-4104-8
発行年月: 2013年3月刊

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■内容説明

科学技術の発達や合理的思考、経済発展、進歩主義など近代が築いてきた価値観が揺らぎ、その正当性が問い直されている現代。「近代と未来のはざま」における幾多の課題を取り上げ、その対処策を模索する。
 

■目次

はじめに

第1部 未来観の変遷と未来学(桃井治郎)
1.リスボン地震と近代
リスボン地震の発生/ヴォルテール『カンディード』/近代的未来観の芽生え
ルソーの文明批判

2.古代の未来観
デルポイの神託/ヘシオドス「五種族の物語」/神々の決定
ヘロドトスとトゥキュディデス/古代の循環史観

3.中世の未来観
アウグスティヌスの生涯/アウグスティヌスの時間論
「神の国」と「地の国」/キリスト教と未来観/アウグスティヌスの貢献

4.近代と進歩史観
ルネサンスと大航海時代/ユートピア思想の諸源流/トマス・モア『ユートピア』
近代科学の誕生/新旧論争と進歩の観念/未来像としてのユートピア
コンドルセと進歩史観/文明化の時代

5.時代変化の予兆
マッキンダーの地政学/レーニン『帝国主義論』/二十世紀前半の諸相

6.未来学の要請
三つの潮流/「理想郷としての未来」/「予測対象としての未来」
「反ユートピアとしての未来」

7.未来学の誕生
二〇〇〇年委員会/未来学の国際的・市民的広がり
アルビン・トフラー『未来の衝撃』/未来学の手法

8.ユートピアの溶解
「成長の限界」/大量消費社会と資源・環境問題/「持続可能な開発」
未来学の凋落/予測の不可能性/二十世紀の終わりに
「大きな物語」の終焉/二十世紀の未来観

9.新しい未来学に向けて
二一世紀の未来観とは/近代的価値の再検討/進歩史観の矛盾
「無明の時代」を生きる

第2部 二一世紀の課題
I.「現代社会」と「歴史」の再検討(桃井治郎)
「現代社会」と「歴史」/「二一世紀型の見方」/「専門家」の問題

〈討議〉
現代社会をどう見るか/時代区分について/近代の国民国家/日本社会の特徴
未来に対する倫理的責任/歴史の解釈/将来の展望

U.「標準家族」の壁を超えて─新たな教養教育の構築のために(玉田敦子)
1.二一世紀の課題と標準家族神話
数字でみる二一世紀の日本の課題─貧困化、少子化、ジェンダー・ギャップ
「あるがままの自然」という幻想と心理的障壁
「標準家族」という神話─「自然化」される家族制度をめぐって
「標準家族神話」の歴史的背景

2.「心理的障壁」がもたらす個別の問題
家庭をめぐるテクノロジーと心理的障壁
大学と標準家族神話─王道ライフコースをめぐって

3.「標準化」から脱却するために
「ダイバーシティ」という覚悟/「判断力」の教育と「古典」の作成
教養教育としての修辞学─「自然にまかせる」という心理的障壁を超えて

〈討議〉
生命テクノロジーと家族/啓蒙主義・蒙昧主義/「自然」という大義名分と家族
研究者が教える、という意味/教養教育─結局何をするべきか/大学教育と民主主義

おわりに
 
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