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	| ■内容説明
 
 科学技術の発達や合理的思考、経済発展、進歩主義など近代が築いてきた価値観が揺らぎ、その正当性が問い直されている現代。「近代と未来のはざま」における幾多の課題を取り上げ、その対処策を模索する。
 
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	| ■目次
 
 はじめに
 
 第1部 未来観の変遷と未来学(桃井治郎)
 1.リスボン地震と近代
 リスボン地震の発生/ヴォルテール『カンディード』/近代的未来観の芽生え
 ルソーの文明批判
 
 2.古代の未来観
 デルポイの神託/ヘシオドス「五種族の物語」/神々の決定
 ヘロドトスとトゥキュディデス/古代の循環史観
 
 3.中世の未来観
 アウグスティヌスの生涯/アウグスティヌスの時間論
 「神の国」と「地の国」/キリスト教と未来観/アウグスティヌスの貢献
 
 4.近代と進歩史観
 ルネサンスと大航海時代/ユートピア思想の諸源流/トマス・モア『ユートピア』
 近代科学の誕生/新旧論争と進歩の観念/未来像としてのユートピア
 コンドルセと進歩史観/文明化の時代
 
 5.時代変化の予兆
 マッキンダーの地政学/レーニン『帝国主義論』/二十世紀前半の諸相
 
 6.未来学の要請
 三つの潮流/「理想郷としての未来」/「予測対象としての未来」
 「反ユートピアとしての未来」
 
 7.未来学の誕生
 二〇〇〇年委員会/未来学の国際的・市民的広がり
 アルビン・トフラー『未来の衝撃』/未来学の手法
 
 8.ユートピアの溶解
 「成長の限界」/大量消費社会と資源・環境問題/「持続可能な開発」
 未来学の凋落/予測の不可能性/二十世紀の終わりに
 「大きな物語」の終焉/二十世紀の未来観
 
 9.新しい未来学に向けて
 二一世紀の未来観とは/近代的価値の再検討/進歩史観の矛盾
 「無明の時代」を生きる
 
 第2部 二一世紀の課題
 I.「現代社会」と「歴史」の再検討(桃井治郎)
 「現代社会」と「歴史」/「二一世紀型の見方」/「専門家」の問題
 
 〈討議〉
 現代社会をどう見るか/時代区分について/近代の国民国家/日本社会の特徴
 未来に対する倫理的責任/歴史の解釈/将来の展望
 
 U.「標準家族」の壁を超えて─新たな教養教育の構築のために(玉田敦子)
 1.二一世紀の課題と標準家族神話
 数字でみる二一世紀の日本の課題─貧困化、少子化、ジェンダー・ギャップ
 「あるがままの自然」という幻想と心理的障壁
 「標準家族」という神話─「自然化」される家族制度をめぐって
 「標準家族神話」の歴史的背景
 
 2.「心理的障壁」がもたらす個別の問題
 家庭をめぐるテクノロジーと心理的障壁
 大学と標準家族神話─王道ライフコースをめぐって
 
 3.「標準化」から脱却するために
 「ダイバーシティ」という覚悟/「判断力」の教育と「古典」の作成
 教養教育としての修辞学─「自然にまかせる」という心理的障壁を超えて
 
 〈討議〉
 生命テクノロジーと家族/啓蒙主義・蒙昧主義/「自然」という大義名分と家族
 研究者が教える、という意味/教養教育─結局何をするべきか/大学教育と民主主義
 
 おわりに
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