短歌ヴァーサス 風媒社
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★短歌ヴァーサスは、11号で休刊になりました★
2004.8.2〜2006.6.30の期間(一時期、休載期間あり)、執筆されたバックナンバーをご紹介します

 
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伊勢谷小枝子

 
うし

 太陽は僕の敵。日光アレルギーではないですが、日に当たるのは好きではありません。暑い。まぶしい。日に焼ける。私が不自然な位置で信号待ちをしていたらそこは電信柱の影の中です。もちろん入りきりませんが。
 私が好んでというかあきらめて夏の野外に長時間いるのはRISING SUN ROCK FESTIVAL IN EZOという野外ライブイベントのときくらいです。日傘をさしたいけど、がまんです。ロックじゃけん。今年は誰が来るのかな、と、夏を思います。(今日は雪が降りましたが、GW頃には桜が咲くはずです。)でも私が好きな夏の野外が似合う私が好きな数少ない私が好きな(修飾被修飾が……)ミュージシャンは、解散してしまったり活動休止してしまったりで、でも新しい人たちを聞かないので、今年は行くのだろうかライジングサンロックフェスティバルインエゾ。その名の通り、朝日が昇るまで行なわれるオールナイトのイベントなのですが、その間に月だって昇ったり沈んだりします。メインのステージの上を横切っていきました。会場は海に近くて、でも海は見えないし聞こえないけど、足元の砂はさらさらの海の砂で、よい時間です。皆さんいらっしゃるがよい。
 「う」の形の月は「生まれる月」(満ちる月)、「し」の形は「死ぬ月」(欠ける月)、と教わりました。たいへん覚えやすいです。夕方が終わるころの西の空の細い月(「う」のほう)、太陽の反対側の輪郭もかすかに見えることがあって、見えないものもある、と思います。星の王子様のつもりでしたが、金子みすゞでした。「見えぬものでもあるんだよ」でした。星の王子様は「大切なものは目には見えない」でした。反対側の輪郭はそんな大切でもありませんが、見えたらうれしいです。大切なものは目には見えなくていつもあとから気づくのでした。

 体内に葉緑体がないせいで地球を守れなくて悲しい
 (光は浴びたくないけど、光合成はできたらいい、地球環境を考える短歌)

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