短歌ヴァーサス 風媒社
カレンダー 執筆者 リンク 各号の紹介 歌集案内

★短歌ヴァーサスは、11号で休刊になりました★
2004.8.2〜2006.6.30の期間(一時期、休載期間あり)、執筆されたバックナンバーをご紹介します

 
← 2006.4.19
2006.4.20
 
2006.4.21 →


伊勢谷小枝子

 
第一妄想

 テルミンの演奏会に行きました。「北海道のテルミン第一人者」と紹介されている、桑島はづきさんご参加の。「第一人者って、いちばん優れた人ってことじゃないですか、でも、北海道で、他に、テルミン演奏をしている人がいないんですよ、だから、ナンバーワンじゃなくて、オンリーワン、なんですよねー」ということを(台詞のままではないですが)おっしゃる。せかいにひとつだけのー。今回は、テルミン2台を駆使しての即興演奏。どうにでもできるだけに、すごいことだと思います、即興。テルミンの上に、オルゴール(箱ではなく、中のドラム部分)が、たくさん並んでいて、それをさわりながらの演奏も。何がどうなっているのでしょう。耳や頭が持って行かれる感じの音で、好きでした。司会の方が、共鳴して震えておりました。テルミンを演奏すると姿勢がよくなるそうです、必然的に。余計な動きがあると、音が出たり変わったりするので。でも、フードに「猫背」とか書かれたパーカーを着る私には無理な話です、演奏も姿勢矯正も。

 ある携帯小説に載っていた、実在するカフェめぐりをしました。
 「この窓から見てたんだね」「あそこの自販のところで携帯をかけてー」「そこから立ち聞きしていたのかー」「ここであの短歌を詠んで……」「季節限定だからかな、同じメニュー、ないね」「イチゴシェイク、パインの味がするって書いてあったけど、あ、ほんとに、するー」とか言っている時点でどうかしていると思いますが、そのことを意識しつつ、「ほんとに(登場人物が)存在するような気がする」「元気かなー」「会えたらどうする?」なんて言っているのは、もうどうしようもない妄想集団(私を含む)です。
 ドラマの名場面を見るために、それまで興味のなかったパチンコに行く人のことが理解できませんでしたが、もう充分わかりました。「フィーバーすると、あの登場人物が短歌を詠む!」なんていうパチンコができたら、行きます。だから作らないでください。
← 2006.4.19
2006.4.20
 
2006.4.21 →