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木曽川は語る
川と人の関係史

著者: 木曽川文化研究会 著

本体価格: \2,500(税別)
サイズ: A5判上製 276頁
ISBN: 4-8331-0524-1
発行年月: 2004年4月刊

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■内容説明

私たちは川とどう付き合ってきたのか。歴史が照らし出す川の未来――。木曽木材と川、渡船から橋への変遷、人びとと川とのたたかい、電力開発などを切り口に、今日の流域の生活様式をかたちづくってきた固有の地域史を掘り起こす。
 

■目次

第1景 木曽川のいまむかし
  1 「木曽」の起源
  2 中山道
  3 移動する河道
   【コラム】鳥居峠と小説『恩讐の彼方に』

第2景 木曽谷盛衰史――木曽氏の台頭から明治時代まで
  1 木曽支配の移り変わり
  2 森林資源の枯渇に呼応した木材保護
  3 盗伐と御料林への組み入れ
  4 御下賜金で木曽谷を守った男――島崎広助の活躍
   【コラム】木曽義仲の挫折
   【コラム】木曽馬と山下家

第3景 川狩りの終焉――木曽川木材運搬史
  1 木曽式伐木運材法
  2 綱場から河口までの筏輸送
   【コラム】岩出観音と絵馬
   【コラム】筏師と筏の回漕
   【コラム】どっこい残った鬼淵鉄橋
 
第4景 海の道、陸の道
  1 河口を渡る海の道――七里の渡し
  2 陸の道と連携する渡し
   【コラム】熱田港の常夜灯と時の鐘
   【コラム】桑名城と城下の「迷子掲示板」

第5景 渡船場は語りかける――船橋から橋の建設へ
  1 船橋と象の川渡し
  2 人名がついた橋
  3 尾張大橋の建設
   【コラム】太田の渡しと岡田式渡船
   【コラム】金属回収から免れた寝覚発電所の紀功碑
   【コラム】ダム湖に沈む五月橋
   【コラム】フンドシで橋を架けた男――鈴木三蔵
   【コラム】おもいやり橋

第6景 新しい治山思想がやってきた!――木曽川土砂災害小史
  1 山のない国・オランダから来たデレーケ
  2 頻発した土石流
  3 巨石をも動かす木曽川の激流
   【コラム】洪水の規模を予測するかわず石

第7景 川と人びととのたたかい
  1 木曽川上流域での水田開発――開田高原
  2 御囲堤の建設――人柱に託された悲願
  3 入鹿池の普請――新田開発を願う人びとの期待を担って
  4 木曽三川を管理した水行奉行・高木三家
  5 佐屋川の開削から廃川まで
  6 宝暦治水工事と薩摩義士の死
  7 木曽三川下流域と自然災害
  8 木曽川と長良川をつなぐ閘門建設
  9 北海道へ移住した人びと
   【コラム】一汲みの水とおきよ地蔵
   【コラム】用水路の統合
   【コラム】吉宗の薩摩藩への遠謀
   【コラム】網にかかった八穂地蔵
   【コラム】減反と後継者難の逆風にも負けない子孫
   【コラム】苫前町三毛別地区での羆による九人殺傷事件
   【コラム】北海道へ渡った住職
   【コラム】南木曽の巨石が旭川へ

第8景 電力開発と木曽川の水資源
  1 木曽川水系の電力開発
  2 木曽川の水利権争い――島崎広助対福沢桃介
  3 ダム式発電所の建設始まる
  4 木曽川源流部での利水開発――味噌川ダム建設
  5 牧尾ダムと愛知用水の効用
   【コラム】電燈が切れてもローソクで祝い酒
       ――上麻生村飯高の発電所の落成式
   【コラム】電力王福沢桃介と三色桃
   【コラム】丸山ダム建設悲話
   【コラム】水神さま
   【コラム】節水について

第9景 川が育む祭りと信仰
  1 日本一の川祭り――津島天王祭り
  2 服部家と天王祭り
  3 田立の滝への道を開いた男
  4 樹木と巨岩に覆われたかくれ滝
  5 御料林で唯一の神社
   【コラム】天王祭のルーツは輪中の葦山にあり
       ――津島天王祭り異聞
   【コラム】牙をむく川
   【コラム】隠れキリシタンと笠松のデウス塚

第10景 これからの川と水のゆくえ
  1 やすらぎを与える川
  2 魚のいる川
  3 川と海に大切な山
   【コラム】熱血万年青年の魚大作戦
   【コラム】五〇歳を超えてから植林開始

 参考文献

 おわりに

■書評・紹介記事

「市民タイムス」(長野県松本市)2004年8月29日
本書は、この木曽川の歴史や流域住民の生活、文化に注目したもの……豊富なエピソードに富んだ地域であったと、驚かされる。

「中日新聞」2004年4月19日
 長野県から東海地方に流れる木曽川は、かんがいや生活のための水の供給源であり、文化を橋渡しする役割もあった半面、大きな水害を何度も引き起こしてきた。木曽ヒノキの流通、近代に入っての電源開発、はんらんする川との闘いなど、木曽川と人々とのかかわりを歴史的に明らかにする。木曽川文化研究会は、大学教員や地元住民が7年前につくった。(INFORMATION欄に掲載)
 
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